Top

手紙と文房具と本と日々のことをつらつらと…
by usausa87
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
ブログパーツ
フォロー中のブログ
LINK
カテゴリ
以前の記事
最新のトラックバック
パラレル 長嶋有
from 粋な提案
ラミーサファリは毒ですよ
from Pushpin Diary(..
連休3日間
from manu
10月といえば…
from manu
やっぱり白が好き!
from もの!モノ!!mono!!!
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
『スノードーム』アレックス・シアラー/求竜堂
スノードーム
アレックス・シアラー 石田 文子 / 求竜堂
スコア選択: ★★★★

彼が残した物語は、真実か
それとも全くの空想か


ある日、若い科学者クリストファーが姿を消した。
彼は、ひたすら「光の減速器」の研究を続ける、
ちょっと変わった青年だった。
失踪の際、彼は同僚のチャーリーにある原稿を残した。
そこには、不思議な物語が綴られていた。


素晴らしい芸術家でありながらも、自分の醜い姿に強いコンプレックスを
持つエックマン。彼は踊り子のホッピーに恋をするのだった。しかし、
ホッピーにはロバートという絵かきの恋人がいた。エックマンの愛は
受け入れられず、結果、彼は恐ろしい行為に手を染めるのだった。
一方ロバートには、クリストファーという息子がいた。母親はいなくなり、
父と息子の2人暮らしだった。決して裕福ではなかったが、お互いに
愛し合い、幸せに暮らしていた。それが、エックマンのゆがんだ愛に
よって人生を大きく狂わされるのだった。




タイトルのスノードームとはスキー場のお土産でよくある
ドーム型でなかに雪ダルマとかがあって、振ると雪に似せた
白いものが舞い落ちてくるもの。
我が家にも埃をかぶったのがひとつある。もらって特にうれしいものでも
なく、棚にずっと置き去りにされている。この物語を読むと、
あの雪ダルマもなんとなく悲愴感が漂ってくる。

もっともエックマンの作品は、我が家の雪ダルマとは比にならないくらい
素晴らしく繊細なものだ。鉛筆の芯の先に彫られたエンパイア・ステート・ビル、
マッチ棒の頭に大聖堂、つまようじや石鹸の削りかすには有名な場所や
美術品のレプリカが彫り込まれていた。
ギャラリー『ありえない美の館』が実在したら、是非一度は足を運んで
みたくなるような素晴らしい作品が目に浮かぶようだ。

この本は字の大きさ、注釈のないようからして子どもでも読めるように、
書かれたものだろう。しかし、子ども向けだからといってキレイに
まとめられているわけではなく、人間の醜い部分も描かれている。
エックマンのしたことは許されないことであるが、ある意味可愛そうな
部分もある。誰かを愛したい、愛されたいという思いと同居する心の
闇の部分。誰もがコンプレックスとは無縁ではないゆえに、エックマンの
孤独は多かれ少なかれ、我々誰もが持っているものではないだろうか。
[PR]
Top▲ by usausa87 | 2005-07-09 00:01 | book
<< 神戸へ♪ | ページトップ | 手帳をカスタマイズ >>